腰抜け

腰抜けだと思う。

何もしていないし、これから何をしようと思っているのかも

判然としない。

自分を腰抜けだと思っている。

そこから、考えていこう。

 

腰抜けになりたくないし、なり続けたくもない。

だから、どうしたらいいのか。

七十年以上も生きてきて、こんな始末か。

せめても、毎日自問自答しながら、

やっていなかったことを、また一つまた一つやってみる。

 

長い年月やって来た「教師」という仕事を

たとえ、この後、現場に立つことがなかったとしても、

自分の穴だらけの仕事について

その穴だらけの部分を補強しておこうと考えている。

 

曖昧なことを自分自身に言わせない。

いったい、教えるというのはどういう業なのか。

なぜ、教えようとしてきたのか。

そして、何をどうやって教えて来たのか。

その中で、何がだめだったのか。

何が、よかったのか。

私の言葉を聞いて、子ども達は何を考え、

私の言葉が、どういうふうに役立ってきたのか。

 

次から次へと、心に浮かんでくる自問の中身だ。

ごまかすなと、決して曖昧にせずに、確信を探せ。

静かに、静かに核心を語れ、私自身よ。

しかし、それでも人生はかえがたいものだと、

言い続けてきたと、

それだけは思っている。