吐き気

高齢者は、ある年齢になったら「集団切腹」のような形で、

自動的にいなくなってもらうといい。

そんな物騒な言説が、今、世の中を騒がしている。

発信元は、エール大学に所属しているという成田何某という男性。

少子高齢化の日本社会に一石を投じて、

その解決策を提案しているらしい。

私は今、71年の人生を何とか歩いて、

こうしてパソコンのキーを叩いている。

そんな私が、最初に成田何某の言説を耳にしたとき、

私は、得も言われぬ感情に襲われていた。

強いて言葉にするなら「恐ろしさ」だろう。

自らが想像しえなかった「怪物」を目の前にしているような

生理的な恐怖感といえばいいのかもしれない。

彼の発言は、高齢者の人権を侵すとんでもない発言だと、

もちろんそう思ってはいる。

しかし、成田何某の発言は、

高齢者の人権を侵害するか否か以前に

ただただ、気味の悪い「怪物」の言説として

私を恐れさせ、吐き気をもようさせているのだ。