ずっと、心が落ち着かなかった。
その理由は、わかっている。
とにかく、心がざわざわして集中力がない。
しばらくはどうしようもないから、
こういう状態にゆっくり付き合っていこうとは思っている。
誕生日が迫っているのだ。
また一つ年をとり、今さらながら老人であることの
戸惑いのようなものが、私の心を散漫なものにしてしまっている。
年老いていくことは自然なことで、何ということはないはずなのに、
いよいよ、本格的に高齢者の中盤に入って、
生きていかなくてはならないと、
私の体が、私に教えてくれているのだ。
こういうのは、結構つらい。
突然何かができなくなったというのではない。
いや、ひょっとして私の場合、
老いへの恐れのようなものが先行して、
私の心をざわざわさせているようなのだ。