思えば魔の季節

 雨の中、授業に行く。雨は激しく降っていた。

 授業の始まりは10時25分、決して早い出勤とはとはいえなかった。

 それなのに体調がよくない。

 それもどう見ても「低血圧」のあの感じだ。

 授業時間は45分間だったが、ずっと気分が悪い。

 こまった。何より頭の中で、血液が巡っていないのだ。

 いったいどうしたことだろう。

 頭の中の、どこかの血管が詰まっていやしないか。

 そんなことも思ったりはしたが、やはり「低血圧」だと確信した。

 どこかが痛いとかいうのではなく、なんかこう不愉快な気分。

 ああ、どうしよう。授業中に座り込んでしまうわけにもいかない。

 昨夜は、早めに眠ったかなと振り返ってみたが、

 ちょうど午前0時頃に布団に入り、そのまま眠ってしまった。

 そして朝、起床は7時半。それから朝食をいただき、

 ゆっくりと準備をして、いざ出勤ということになった。

 そうして学校。職員室で座っていた時は、まだ大丈夫だったのに、

 授業が始まって教室に行き、立ってしゃべり始めたら、

 ふらふらしてしまって、考えもまとまらない。

 そうだ、4月のこの頃、私は、毎年こうなっていたではないか。

 なんとも言えない不愉快な体調。

 人にどう説明ができるのか、なかなか難しい。

 「不定愁訴」という言葉をおもいだした。

 こんな状況に陥ってしまうのは、

 もうずっと昔から春4月と5月。
 
 この頃は、私にとって「魔の季節」だったではないか。