漢文問題集をやってしまった・・。

 4月になって、なんだか不思議な集中力があって、漢文問題集を探してきて始めてしまった。

 忙しいのに、おもしろくて続けていたら、正味5日くらいで問題集をやり終えたのである。

 いや、問題集が易しかったというのもある。

 だが、それだけではなく、問題集を編集した人の感性みたいなものに惚れ込んでしまったということもあるのだ。

 もともと漢文などというのは、かなり特化した教科で、楽しんで勉強している人など、それほど多くはないと思う。

 昔、職場の同僚だった人で、相当な変人だったけれども、二松学舎出身だったことを誇らしく語っていた人がいたことを思い出す。

 そればかりではない。高校生だった頃に、初めて漢文を教えてくれた先生は「河村広通」と、確か、そういう名前の方だった。

 彼が教室に入ってくると、香のにおいがして、教科書を包んだ風呂敷包みをもっていた。

 黒板に書かれる字は、それはもう、大きな形の整った字で、何より板書はすべて白文。

 生徒にも、予習するときは、絶対に白文だけをノートに書くようにと厳命するような先生だった。

 その先生にすっかり憧れてしまった私は、彼の指示通り、白文だけで、漢文を学び、成績も上位だったが、

 学年が変わって、別の先生に漢文を習うようになった途端、私は漢文の自主的な勉強を止めてしまって、

 すっかり漢文熱は冷めてしまった。

 さて、今回私が取り組んだ漢文問題集は、そこに掲載されている中国古典の様々な文章に、

 なんとも魅力を感じて、強く惹きつけられてしまったということなのだ。

 それがなぜだったのかということは、二度目の問題解法をやりながら、わかりやすく言葉にしていこうと思う。

 いずれにしても勉強は楽しい。学生の戻って、他の人に教えを乞うなんていうのも素敵だな。