決めたこと・・・。

 これまでずっと、決めたことなどなかなか守れなかった。

 それは結構ストレスとなった心の中にたまっていった。

 でも、もうずっと思っている。

 現在の職場を去っていこう。

 来年の3月で6年になる。

 もういい、既に5年2か月が過ぎて、

 自分の仕事をふりかえって思う。

 私は、若者たちを育てることができなかった。

 いや、何一つできなかったとはいわない。

 でも、できなかったことが多すぎた。

 若者たちは、どんどん幼くなっていく。

 幼くなっていくことで、自己防衛をしているのだと思う。

 その一方で、若者の幼児化がなぜなのかが

 理解できない職員の状況が深刻なのだ。

 だが、それもどうすることもできない。

 日本の教育の貧困は今さらのことではない。

 偏差値教育の真っただ中で育っていた教師達には

 低学力の若者は、基本的に理解の外にあるのだと思う。

 だが教師たちは、そんな若者たちに向かって

 決して冷淡ではない。

 ただ優しく、幼児を扱うように高校生を扱う。

 それはもう、見ていることもできないような悲しい状況に映る。

 異議申し立てをしたことは、幾度もあった。

 でも、教師たちの方が言葉は通じなかった。

 もういいかなと思う。時間もないのだ。

 おそらく人間は、人間とは何かと追究しながら

 生涯を送るのだと思う。

 そんな問いがなければ、教師などつとまらない。

 そんな自問自答はないが、心やさしいだけの

 偏差値の高い教師たちばかりを見続けてきた。