いずれは死んでいく人間が、限られた時間の中で、
どんな「立ち居振る舞い」をしていくのか。
結局そういうことを、よりよい形として、
人から人へ伝えていくことが「教育の原点」ではないのか。
決して、抗うことができない、その人に残された時間の枠の中で、
ほんの一瞬でも、誠実で、謙虚な「立ち居振る舞い」が
できたなら、人生は今以上に、心豊かなものになるはずだ。
まずは人間としてどう生きていくのか。
それについて、生徒たちに、抽象的な言葉で語ってもらうこと。
次には、それを具体化するために、どのような「立ち居振る舞い」が
必要なのかを、一緒に考えること。
こうした過程を経て、一人一人の若者の将来について、
本人と、そこに寄りそう教師としての私が、
一つの世界を創造することが可能になる。
時間はかかるに決まっている。
少なくても3年、あるいは4年をかけて、高校で学んでもらうことだ。
4月から新年度が始まる。私は今、心新たに、自分の仕事の原点を
鮮明なものにしようとしているところだ。