記録3

ほんのちょっと うすぼんやりと人生の道筋が見えてきたみたい
とりあえず 身体は大丈夫そう
また少し先まで 生きられそうな青年
10年前のやり残しを これからゆっくりとやる
言葉をつかい 文字を読み この国の
いや 人間の命の営みの歴史を
学んでいくきっかけを作れそう
満身創痍の青年の
不安そうだけど 静かなまなざし
一人前じゃなく 万年少年のままかもしれない人生
それでも 足跡がない 僕は幽霊じゃないのに
後ろを見ても 足跡がないって そんな怯えは
もういい加減 やめにしよう
足跡は あるに決まっているのに
ないように見せかけるのは 
愚かな人間自身だから
もう こういうゆっくりしたペースで
一歩一歩 ふわっと ゆるっと ね
人間としての復権をやるよ
君の軌道に 君自身が心地よく乗っていくよ