「たたかう・たたかう・・・」

闘うってどういうことか
差別があり 理不尽があり
殺されたり 傷つけられたり
あれも これもの暴政が留まることを知らず
それへの怒りと悲しみで ぐちゃぐちゃになった心を
武器にして 敵に向かって前進するってことか
それじゃ 誰が味方で 誰が敵かって
確かに そう そうに違いない
冷静になって 落ち着いて
本当の悪玉を見つけて やっつけてしまいたい
そこで本当の悪玉を 探しに 探して
たどりついた先に あるものは
多くの民衆に選ばれて 君臨する 権力の姿 
なに 別に諦めをほざいているのじゃなく
ただ 怒りと悲しみの末に
たどりついた先にあったもののことだ
昨日も 一人死んだ
今日も たった今 一人 二人と死んでいった
心の死と 身体の死と
毎日 毎日 どこかで誰かが死んでいく
この暴力の社会の中で
人々は 次々に死んでいくって
そんなお上のもとに 居たくないって思っても
昨日も 今日も 働いて
やっと一月分の 給料をもらってきたんだ
これがね 家族の命をつなぐ
この世に 二人といない父の 母の 息子の
命をつなぐ・・・
そこから すべてが始まってしまう
この世の 犯罪のすべてが 始まってしまう
悪いことと知っていながら 嘘をつき
悪いことと知っていながら 権力のいう通りに
行くところへ行き やれといわれてやってしまう
生きるために なんでもやってしまうのを
知性が いや理性が 本当に止めてくれるか
そうやって自問しながら 
いや いや わからないなって答えている夜
首根っこをがっちりとつかまれて 
その日の命をつないでいる一日が 今日も終わったか
それどころか もっともっとしんどい労働に耐えて
やっと やっと命をつないで
ボロ雑巾のようになって 
今夜も 夜勤をしている
あの青年達の 知った顔を 思い浮かべてしまっている
あの青年たちの境遇の理不尽さを
ほら 私はまだ 闘いの火に点火していないじゃないか
私は 何一つ 闘っていないんだ
つまづきが つまづきを呼び
貧乏が 貧乏を呼ぶ この国の不正を
告発さえ していないじゃないか
こうして座っているだけじゃないか