今も殺戮が終わらない・・・・

一人の少年がいます
働き者で 朝早くから働いて
夜は 学校に通っています
その子の家は いろいろあって
その子は 時々 悩んでいることもありましたが
自分の給料の半分以上は
家族のために 家計費として
お母さんに渡しています
そんな自分を どこか誇らしく感じていて
給料日の日には
大きな財布を手に持って
話しかけてくれるようなこともありました
でも 今日はだいぶ疲れていた様子で
理由を聞くと 眠れていなかったのだと
青ざめた表情で 小さな声で話してくれました
その子を知ったのは 三年ほど前のことです
あの時から時間が経って 背丈は伸びたし
言葉遣いだってずいぶん丁寧になったと思います
ついこの間も その子が言いました
僕は 一人でいるのが好きなんですよね
可笑しいですかって
そう言われて私は すぐに次の様に返事をしたのです
全然 可笑しくなんてないと思います
人間は もともと一人なんですから
一人で いろいろ思ったりすることできるなんて
君は 大人になったんだと思います
そうですよね 僕は変じゃないですよね
そう言って その子は静かに笑っていました
毎日 その子に出会っています
その子の 淋しげな姿が 気にもなりますが
でも それはいずれ その子の人生に
深みを与えてくれるのではないか
きっとその子は 軽薄な大人にはなりません
なぜか 私はそんな確信を持っています
決しておしゃべりではないその少年が
もう二年余り コツコツと働いているところ
それは マクドナルド・・・
イスラエルパレスチナ侵攻に
資金援助している有名な企業だというマクドナルド
イスラエルの爆撃で次々に殺されている
パレスチナの子どもたちが 
今この時も どんどん増えているというニュース
実は その子の 面ざしは 
パレスチナの少年のようなのです
足の長い ほっそりとした体形と 黒い瞳
私は その子のことをずっと 思っていました
夜の教室で 
今夜こそは寝ます 明日は仕事ですから 
と言っていた その少年の言葉が
耳から離れないまま 
イスラエルと アメリカと
それを支援する この国の権力者たちを
どんな言葉で 言い表せるんだろう
いったい なにをしたらいいんだろう
ただ もう こうして 言葉を探しているのです