ついさっき 友人から電話・・・

 「まさかの16回目の入院、・・・・・・・」と

 友人から電話

 季節変わりだからというより もうずっと前から

 自分の頭の歯車が素早く回転して

 それで生きていくのが大変なのを知っていたはず

 もうなんていうのか 癌だってわかっても

 わかったから どうなんだという感じと同じで

 鋭い感性の赴くままに 町中を歩き回り

 絵の個展とか 花の展示会とか

 もともと 絵も描き 染色もし 料理だって

 そうい芸術家の素地の上で あれこれやるものだから

 それはもう おいしい料理を 色々作れる人だった

 その人が 定期的に狂っていく

 むき出しの感性を そのままの状態で

 次々にいろんなことをやっていくものだから

 その感性が切れ切れになってしまって

 気づいた時は 

 「キチガイ女」などと陰口をたたかれて

 病院に入院してきた歴史だった

 こうなることは わかってはいたけれど

 どうにかなるものではないし

 ましてや 私がどうすることなどできるはずもない

 一時期 教会に一緒に通っていた

 牧師も ある時期まで とことん付き合ったというけれど

 何か違うと 私の違和感はずっとあった

 彼女の 切れ切れの神経を 

 なんとか 心身ともの生存の領域で 維持させるには

 やっぱり 牧師の無力は 歴然だった

 そういうのを 人間は真摯に自分に向かって思うしかない

 私だって もちろんだけれど

 でも 助けを求め続けていた彼女の魂に

 この世で向き合えるのは 本当のところ

 それはいったい なんだったのかと

 やっぱり思ってしまう

 周りの人は それはもう大変な思いをしてきただろうし

 そういう経験は この私にだってあるのだけれど

 でも これといった名案など

 絶対にない気がしている

 ただもう 彼女を棄てないで 

 彼女のことを 家族が 支えてくれれば

 どれだけいいかと 

 そういうことを 思うしかない

 思えば 私の周りで 芸術家がもう一人

 狂ってしまっては やっと生き抜いている

 今は どうしているのか

 ここしばらくは あっていない