朝日百科・日本の歴史を開いて楽しむのが日課になった。
何より「絵」が多いのだ。
中世の絵巻物が次々に出てきてそのページが賑わう。
私が特に気にっているのはどう見ても「偉くない人々」の表情。
笑っていたり、怒っていたり、何か語り合っているような
人間味あふれる「普通の人々」の有様。
こういう絵巻などをふんだんに載せてくれる書物が人々に読まれ、人気者になっ
ていったのはそれほど以前からのことではない。
なんでも書き遺されたものだけが歴史的な史料として認められていたからだとい
う。
そういう状況に異議を唱えた一人が「網野義彦」という研究者だと思う。
この人の仕事はこればかりではなく深く大きく広がって、日本の歴史学研究に一 石も二石も投じてきた。
歴史を読む側の一人の民衆としての私には、ともかく数百年前の折々の人々の 生々しい表情が心にしみる。
ああ 確かに歴史は繋がっているなって、昔々の父や母を見ながら、現代の母の 自分を、現代の父である連れ合いを思ったりして、結構楽しんだりしている。