ごめんなさい・・・

そのたびに 粉々になって
やっと今日まで生きてきた母を見て
希望がない なんて
どうか いわないでください

やはり私は 家族のために生きてきました
世の母達が そう話す通り
私も 家族が 何より大切だったのは確かです
だから 悲しいなんていわないでください

私は 生きる基盤を失ってしまいました
私達にしか作れない そんな基盤を
どっかにおいてきてしまいました
それが 私の人生を 苦しいものに変えてしまいました

いまさら 何をいってるのって
どうか そんなこと いわないでください
たとえ 夢なんて引きちぎってしまっても
この命の 終わりまでは まじめにいきてゆくつもりですから

老齢にさしかかった母の繰り言を
聞かせてしまうのは 無念です
でも もうすこし 生きるために
悲しい繰り言を こぼしてしまいます