帰ろう・・・東京へ

 そんな衝動に駆られている

 この南の島ではなく

 仕事もない 明日の糧の見込みもない

 君と出会った あの東京へ戻って

 目に見えるような 反原発の戦いの中に

 身を投じたい・・・

 三日も生きられない現金しかなくても

 君と二人で

 大勢の人たちと一緒に

 この国の 殺人を

 怒りを持って 告発し 止めるために

 無力でも 微力でも 歩きたい

 でも・・・・

 ここでやれることをしなくては

 今は どうにもならないね

 齢80歳を過ぎた 君の母上を

 見送ってあげなくちゃ

 その仕事は 大切だもの

 わたしだって 昨日も 今日も

 わたしの目の前には

 どうしても 生きられないと

 小刻みに震えているような

 そんな いたいけないくつもの命があるんだ

 ああ でも 外の寒々とした雨の音は

 猛威をふるう

 この国の権力の恐ろしさから

 本当に 生き残れるのかというような

 不安を 掻き立てるね

 でも 弱い者ほど強いのだ

 負けるが勝ちなのだと

 そんな言葉を 信じようね 

 わたしは そう確信しながら

 君と歩いてゆくよ

 ついさっき 福島原発処理で亡くなった人々の数を

 その後の状況を

 アルコミュニティで 読んだばかりなんだ

 さあ 今日も 仕事に行く

 この世の中で 何がおこっているかなど

 まるで 無関心な人々と一緒に

 わたしは 仕事をするんだ