私が知っている学校は
昔、街の映画館で観た山田洋二監督の「学校」とは違っています
私が知っている学校は
若い先生たちが、にこにこ笑いながら
せわしなく、あれこれ行事の計画なんかをたてながら
日々を送っているところです
私が知っている学校は
授業は わかりやすく
出来れば パワーポイントなんか使って
すっきり はっきり よく効く頭痛薬みたいに
やってしまうところです
ゆで卵の殻をむいたばっかりのような
つるっとした顔の若い先生が
その日の「到達目標」を立てようなんて
ときには そんなことさえ言い出しますが
いえ それはお上からの命令があったからで
10人いたら10人の、20人いたら20人の
すべての子たちを その時間の中で
評価しなさいと お上は本気でそんなことをいったというのです
本当に純朴です
どんな命令でも 言うとおりに
お上が間違っているとか
そういうことは考えたこともなく
先生たちは忙しく働いているのが
私が知ってる学校です
なんだか今夜は 秋の風・・・
季節が変わる静かな夜に
私はひとり言のように
しゃべってしまっているみたいです。
