暑い一日が終わって、今は、静かな、ゆっくりとした時間の中にいる。
義母が亡くなって一月余り。
七月二十日、彼女は九十六歳で静かに、この世を去った。
その晩は仮通夜、その翌日は通夜、そのまた次の日が葬式。
その後しばらくしてからは、
義母が、天国への階段を無事に登っていけるように、
毎週、小さな法要が営まれた。
その都度、お坊さんが短い御経を読んで、
天国への永い永い道程を、決して迷わないようにと、
灯りをともしてくれたということなのだ。
一つの景色が、目に浮かんでくる。
永い永い坂道を、ゆっくり登っていく義母の姿。
そこには、静かなゆっくりとした時間が流れている。