沈丁花

身の回りを綺麗にするのが好きで、時々、夢中になってしまう。

綺麗にすると、人生を、もう少し歩いていこうと、

無意識のうちに思っているのだろう。

いや、大げさに言えば、これが私の「美学」かなとも思う。

ともかく自分の終わり方をすっきりとしたい。

そんなことはできるものかと思いながら、

できるところまでやってみたい。

無駄なものを捨て、生きていくのに必要なものだけを手元に置き、

人の一生について、ゆっくりと思い、

自分の人生は幸せだったと、静かに振り返り、

その他にも、いくつものことが、心の中に浮かんでくる。

そんなことを、あれこれ思いながら、

古くなったシーツを切り刻んで、汚れた窓を拭いていたのは昨日のことだ。

その間ずっと、沈丁花の花の香りが、立ち込めていた。

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