生きよう

やっぱり、生きよう

絶望的な日本に暮らしているけれど

それでもやっぱり生きよう

原子力発電所

地震と大津波とともに大爆発を起こして

人間には決して手が付けられないという

そういう現実を突きつけられて

あまりにも多大な犠牲を背負わされた大勢の人々がいて

それでもなに一つそういう悲劇から学ぶこともなく

原発を再稼働させていったこの国の権力を持つ者たち

原発立地の地元の有力者と原発立地のために働いた工事関係者と

そして電力会社の上層部の人間たちが

数億円に及ぶ金品をやり取りしてほくそ笑んでいたなんて

腐り切った日本の状況を見事なくらいに顕わにしてくれたってこと

こればかりじゃない

他にだってこんな話は枚挙に暇なくあって

それでも多くの日本人が本当のことを知らされず

あるいは何かがおかしいと思って自ら知ろうともしないまま

権力の腐敗はどんどん進み

もう今やどこかで慣れてしまっていたりして

その間をすっと狙われて

また次また次と嘘で塗り固められた出鱈目な状況が

続いていく昨日今日明日

自分が自分を失わずに立っていることもできそうになく

殴られ続け侮辱され続け愚弄され続けて

そういう毎日を送りながら

破滅的な状況の中で確たる抵抗もしないまま

毎日の暮らしに追われ

かろうじて家族と一緒に夕餉を囲みながら

自分たちが今いる状況への怒りや悲しみを語り合い

元気を出そうと今日の仕事を終え

明日の仕事のために床に就いたりする

夜が来れば虫の声も鳥の声だってしない

静かな静かな地方都市のそのまた山奥に暮らし

インターネットの向こうから伝えられる

この国の状況を闘いの状況を

何とかつかもうとして

でも明日は早いからと

生きるエネルギーを絶やさないために

とりあえず今夜は眠りに就こうと思っている

無関心でもないし諦めだってないし

この国のことを何とかしなくてはと

こうしてつぶやきながら心は不思議に熱くなっていく