心の荒廃、劣化

隣りの国の韓国を、嫌悪し罵倒する言葉が、日本中に溢れている気がします。

そう思えば思うほど、日本の国の人々が、他国の人々を貶めている無残な光景を、

心に描いてしまって、心が、暗くどんよりとしてきます。

ツイッターを開いてみると、以前よりはずっとたくさんの、

韓国を嫌悪しているかようなつぶやきにぶつかります。

批判とか、非難とか、そういうレベルを飛び越えて、

ただただ悪意に満ちた、口汚い言葉が並んでいるような状況です。

この国は、いつからこれほどに、心を荒廃させてしまったのでしょうか。

どんな場合でも、他者を批判したり、非難するときには、

なぜ、そうするのか、その根拠となるものが必要です。

さらに、根拠となったものが、事実であったかどうか、

それが検証され、ゆるぎないものでなくてはなりません。

振り返れば1910年、日本は韓国を併合しました。

その国の、外交権を奪い、内政権を奪い、その国を植民地にしたのです。

あれから100年余りが経ち、日本と韓国は、

そのような支配と被支配の関係を断ち、各々が民主主義国家として

存立しているはずなのに、

とりわけ冒頭に述べたような日本人の態度は

余りにも非礼です。さらに言えば、

これまでの日韓の歴史の基本的な知識さえ、危なげな人たちの

隣国韓国をののしるようなメッセージは、他ならぬ、日本人である私たちの心を

荒廃、劣化させていくのではないかと思っています。

人を辱める差別的な言葉を発信してはダメです。

そんなことを繰り返す人の姿は

100年前の宗主国日本の残影を引きずったまま

見るも無残なものだと思わなくてはなりません。