外は晴れ、透き通るような鶯の声が遠くまで響いている。
どこにとまって、得意げに鳴いているのかと、
その声の方向を見上げても、見つけられない。
毎日、毎日、何事かが起こって、
それにいろいろな思いを抱きながら、ふと気づくと
「もう、いいか・・。」と、力を抜いてしまう自分がいる。
こうやって、何かを救い上げた両手の指の間から、
その何かが、ぼろぼろと落ちていくのを、
ただ、見過ごしてしまうのは、決していいことではない。
そうした行為を繰り返すたびに、実は、何かを言語化する作業を
やめてしまい、自分の中には、不愉快な倦怠感しか残らない。
諦めということかもしれない。情熱のようなものが、
だんだん、火を落としていくような気がする。
だが、そうなれば、この劣化した政治や社会の状況を
容認することになってしまう。
いや、それだけはダメだ。
なにかこう、そこのところまで思いながら、
やっぱりダメだと、辿りなおす私の日々が続いている。