深夜、一人で・・・

 やはり書いておこう。一言でも、二言でも、

 64年の歳月が過ぎた今日、記すことに、大いに意味はある。

 本当に、よく生きてくることができたと思う。

 何とか、飢えることもなく、やっとやっとの暮らしだったが、

 生き延びることができた。

 なんだか、いつだって心は熱かったし、

 いつだって懸命に事にぶつかってきたなと思う。

 それでも、これでもか、これでもかという試練の連続だった。

 生きることの本質を、そのまま生かされてきたなという思いが

 じわっと、心に湧き上がってくる。

 さて、次はいよいよ、どのように死んでいくのかだ。

 それは、神が決めてくれる。

 私は、その日までの一歩一歩をあるいていくだけだ。