山本太郎氏の一件について

 山本太郎氏が園遊会の席で 天皇に手紙を渡し 

 それが 国会で大騒動になった
 
 すぐさま 議員運営委員会から 辞職すべきだと言われたが

 山本太郎氏は「辞職しない」ときっぱりと拒否

 その上 60万人余りの国民との約束があると明言を残している

 小気味いいほどの展開だ

 彼は 自分の進退を明らかにする記者会見を聞いた

 その時点で 私は 新しい政治家「山本太郎」の誕生を実感

 彼は際立って賢く 勇気のある政治家だ

 今回の天皇への手紙手渡し事件は 

 山本太郎氏の政治家としての第一歩だったと思う

 彼は おこりうる限りの危険性を覚悟で行動に踏み切っている

 それは 自分の命の危機というよりも

 天皇に真正面から向き合うことによって起こるかもしれない

 この国の右傾化 反動化をも視野に入れて

 「いまはひとり」の究極の闘いを展開したのだ

 天皇に直接手紙を渡すなんて

 「不敬」極まるという勢力と

 それほどではなくとも それに連なる一般の人々の思いを

 少しでも和らげる方法を模索することは 

 最重要の課題だったと思う

 彼は 徹底的に脱原発と脱被爆のために 

 これまでのことを さらに今この時の惨状を

 世の人々に訴えてようと

 今回のいっけんを 命がけでやりぬいたのだ

 天皇に何もできないことは 

 わかっていたはずだ

 しかし 天皇に関わることは絶大な結果をもたらす

 そう思ったに違いない

 はたして それが悪いことなのか

 世の中は それで騒いでいるが

 山本太郎氏は 

 今回のような結果になることがわかりながら

 どうしても踏み切らなくてはならないと決意したのだ

 私は そこに政治家としての山本太郎氏を見る

 彼は「宸襟を悩ましてしまった」と言った

 「宸襟」とは「天子の心」の意

 「天皇」は「天子」になっていた

 憲法上は「象徴」だが「天子」だというのが

 多くの人々の認識だと 山本太郎氏は確信している

 その思いを 損ねないように配慮した彼の言葉遣い

 これほどに様々に思いを馳せることができる政治家として

 私は 山本太郎を支持し続ける

 その一方で 天皇制が民主主義国家と併存できるとは 到底思えない

 だからまた 山本太郎氏の天皇への手紙手渡し事件を

 批判することを躊躇うつもりはない

 天皇の絶大な力に頼る行為を通して

 天皇の絶大な力を明るみに出すことが

 危機を孕まない筈はないからだ