2011年、8月12日、午前8時35分、
あなたの94歳の生涯は終わりました
本当に、永かったですね・・
家族が間に合わず、医者と看護婦だけが見守る中で
孤独に死んでいったあなた
永かった、本当に・・
あなたの苦労に苦労を重ねた一生を思います
1945年の沖縄戦で夫を亡くしてから
３人の子を抱えて
７０年近くの歳月が流れました
あなたは美しい人でした
色白で、ロシア人の血を引いているのではと
そんな風にいつも思ってあなたを見つめていましたっけ・・
そのあなたの美しさゆえに
死にゆくあなたの夫はあなたを見染めてしまって・・
あなたは自慢の妻だったのではないかと思います
もう、やっとあなたは
あなたのことを待ちわびている夫の元へいける
あなたより先に死んでしまった娘もそこには居て
あなたに御苦労さまということでしょう
もう何も心配いらないといってくれるはずです
もうさびしくないと優しく語りかけるに決まっています
美しい若々しいあなたがよみがえり
やっぱり亡くなる前のような若々しいあなたの思い人と
永遠の静かな時間を過ごしてください
それにしても また８月１５日はすぐそこです
この国の愚かな指導者達が起こした戦争で
あなたのように孤独の淵を生き抜いた女性たちが
いったい どれほどいたことか
今日は、静かに泣こうと思います
今日は、静かな怒りをふつふつと燃やそうと思います
殺しあう戦争の惨たらしさと愚かさを思って・・・
あなたの一生を想いながら
反戦の思いを、再度、再度
心に刻みつけようと思っています
