7月20日、午後一時、96歳で亡くなった義母。
ずいぶん前に、心臓弁膜症だと診断されたことがあったが、
その後は特別な疾患もなく、二年余りを過ごしていた施設で、
静かに暮らしていたと思う。
義母は、亡くなる四日前の7月16日に病院に搬送された。
連絡が来たのは、その日の夜11時過ぎだ。
いよいよ来たかと、高齢だった義母の終わりを覚悟して、
96年間の義母の人生を思いながら、病院に向かった車を走らせた。
行き合う車など数えるほどしかいない夜更けの県道を走り、
20分ほどで病院に到着する。
広い駐車場に止まっている車は、あまりにも少ない。
5階建ての病院の、各部屋の窓の明かりを見上げながら、
こんな場に立たされたのは、これで何度目だったかなと思っていた。