心がぐらぐらと揺れる季節がやって来た。
そういう中で七十歳と数か月が過ぎて、
自分が、あまりにも不完全なままの、自分を見つめている状態。
もともと、大らかな性格ではないのだろう。
人一倍感性が鋭く、生きているのがやっとという状態で、
七十年を過ぎこしてきたなんて、奇跡的なことでもある。
他の人に、疲れるような生き方だといわれたことが
度々あったけれども、それでも私は、
弱かった自分を見つめつつ、やはり「凛」として生涯を終わりたい。
恐らくそれしか、私の終わり方はないのだろうと思っている。
時々、思い出すことがある。
あれは小学校一年生の頃だったか。
私は病気になって、学校を休んで寝込んでいた。
そんな私を心配して、担任の先生が家まで訪ねてくれたのだ。
その時私は、寝間着姿で先生と対面することが恥ずかしくて
身づくろいをすることに、神経を使って一生懸命だったのだ。
私は、そんな幼い頃の自分を思い出して、
苦笑しながらも、どこか、誇らしく思っている。