午前10時、地元の共産党議員候補の「出発式」に参加した。
連れ合いと二人で、集まっている人たちの後ろの方で黙って立っていた。
当の候補は今年60歳になったという。
地元では、大きな養鶏農家の息子さんで、まじめ一筋の人。
そのうえ若い頃は、なかなか優秀な人で、国立大学の修士課程を終えている。
少し前に、大きな事故にあって、心身ともに不調だったらしいが、
今は何とか復帰して、その後も議員活動をつづけ、
今回、再度選挙に立候補したということらしい。
ただ、正直にいえば、今後も、議員として活躍できるのかどうか。
そのエネルギーがあるのかどうか。
現状の国政の暗黒状況を、理解し、認識して、
自説を貫いていけるのかどうか。
なんだか、そんな思いが私の中に、次々にわいてきた。
田舎の老齢化は、避けがたい。
だが、政治情勢の過酷さは、体力の弱まった人々にこそ
容赦なく、のしかかってくる。
老人の一人として自分をも確認しつつ、
集まった人々の、弱々しい後姿を見つめながら、
これからの暮らしの行方について、取り留めもなく思いを巡らしていた。