日曜日 ひとり・・

 

 息子は阿蘇へ行った あさの5時に起きて

 連れ合いは 母の元へ行った 

 私は 一人 ゆっくりとこうして綴る

 昨日は 勤めている高校の全日制の文化祭

 そこで 「一人語り」などをやった

 体育館の舞台で 

 普段はスポーツをやっている空間の彼方から

 発光するスポットをあびながら

 面白い経験だった

 若者の観客はほとんどいなかったが

 妙に心落ち着く空間で

 自ら語りの世界に浸ることができたのは幸いだった

 それでも 高校の文化祭でやる演目ではないなと

 自問自答したりもする

 琵琶の音が 面白い

 前日に弦を張り替えてくれた息子

 それ以前に 竹でバチを創ってくれた連れ合い

 いつもそんなふうに 

 私の表現を 支えてくれる家族

 語りは 異空間の人々の言葉を語り継ぐということ

 その言葉を 静かに ぞんぶんに語ってきてほしいと

 異空間の誰かの声がする

 そんな見えない状況をわかってくれる家族の存在は

 いかにも ありがたい

 いや それはしかし 私も私の家族も

 あまりにも 異邦人だということだ

 大勢に押しつぶされながら

 静かに ゆっくりと 自分の思いを

 つぶやき続けてきた 

 かけがえのない道のりがあったということだ

 さあ 語りをやっていこう

 過去の人々の言葉に 耳を傾けられず

 現在を生きながら 

 声高に叫ぶ愚かしい人々の声だけが蔓延して

 心を憂鬱にさせる

 それを 終わりにしたい 

 枯れ果てたこの国の在り様に

 生きる気力を吸い取られていく前に・・・