老夫婦となって・・・

 46年あまり一緒に歩いてきて、

 私と連れ合いは無事に老夫婦となった。

 だがそうなると、二人で支え合うことが、以前よりも多くなったりもする。

 例えばそれは、外部との出会いがあって、色々不都合が起きるようなとき、

 一緒に立ち向かわなければならないことが、あるということ。

 具体的にいうならば、2018年3月17日の、ついさっき、午後二時半過ぎのことだった。

 ここのところ、ガス代が二万円近くにもなることが多くなって、

 家計が苦しくなったことを、心配していた連れ合いは

 一週間ほど前に「給湯器」のメーカーから電話を受けていたのだ。

 電話では詳しいことがわからないので、メーカーの方が我が家へ来て、

 詳しい話をするということになった。

 つまりは、詳しい話をまず聞くというのが、私と夫の目的。

 一方、何を勘違いしたのか。メーカーの担当者は

 我が家が貸家であることを心配して、大家さんに許可を取れるのか否か、

 それをクリアーしたら、当然つけることになるという横柄な対応なのだ。

 そもそも途中の道が渋滞したので、約束の時間前に電話が入り、

 そこまではよかったが、結果的に30分近く来るのが遅れ、

 そのあとは、前述のとおりである。

 最終的には、まず大家さんに許可を取ってください。

 それで許可を取れたら、詳しい話をしましょう。そうでないと、

 時間が無駄になりますからという。どう考えても、

 私たちは一組の老夫婦として、舐められている様子。

 彼がおいていった名刺を頼りに、インターネットでその会社名を調べると、

 福岡にある、そこそこの資本金の企業。

 彼が帰ってすぐに、こちらから電話をして、

 給湯器をつけるか否かを決めるために

 説明を聞こうとしただけのことだから、お断りをしますと

 歯切れよく、伝えることとなった。

 久しぶりに、怒りと不快を味わう。

 どうやら日本社会は、老人たちを見下しつつ、

 それでも、商売相手にできると、とんでもない不遜な態度が

 当たり前になっているようだ。

 私と連れ合いの、新たな支え合い、戦いの始まりだなと、

 ふっ、やっと怒りもおさまったかな。