一人の定時制教師からあなたへ

毎日新聞社が出した『貧困の現場』という本があります。
著者は東海林智という毎日新聞の記者です。
学校の図書室に入れたのは昨年のことだった思います。
この本を今夜、夜が更けるのも構わず、改めて読み進んでしまいました。
「10年にわたって貧困の現場を取材してきた新聞記者が、丹念な取材と緻密な分析、そしてこみ上げる思いによって書き上げた入魂のルポルタージュ」と、本の赤い帯には、そんなふうに書かれていました。
静かな夜更けに、これを読みながら、心が熱くなるような思いに駆られました。
定時制高校で仕事をしながら4年半を過ぎ、私自身がその現場にいたのです。
何をいまさらと思いながらも、なぜか、強烈な現実感をもって、
この本に書かれていることが私に迫ってきて、得も言われぬ興奮に襲われてしまいました。
目前の生徒達の状況を、この国の社会構造の中で、
改めて冷静に捉えきることが、今こそ私に求められているのだと、
ここ一二ヵ月、特に一人の生徒の問題に直面して、思いなおしているところです。
2014年10月27日夜更け