こどもたちへ  (遺書・・)

 
 
 驚くなかれ・・よ

 神様が連れていくまで 私は生きるから・・ね

 その日までは 大丈夫

 君たちのそばから 離れない

 遠くにいても 傍はそば

 安心して・・・ 

 こんな力ない私でも

 きっと役に立てると信じて

 ここまで 一緒に歩いてきたんだから

 親になった私が 子に語る どんな言葉も「遺書」だって

 近ごろ つくずく思う・・

 そんなこと 当り前なの

 この地上に 産み落としてしまって

 苦しみや悲しみの中に置いてしまったけれど

 でも その微かな間 間に 喜びがあったでしょう

 真の喜び 生きててよかったっていう喜び

 家族と一緒にいられることや

 自分が 自分らしく生きられることや

 誰かを好きになったことや

 学びながら 何かをつかみとって

 ほんのまた少し 先へ進めるって思ったことや

 思い出して 思い出して

 人生が捨てたものじゃないってことを

 自分じゃなきゃできなかったことを

 思い出して 思い出して

 不得意なことだらけでも 

 君にしかできない得意なことを

 思い出して 思い出して

 愛してる 愛してる

 言葉には いい尽せないほど

 涙で曇っていく目で 愛してるって

 何度でも 綴れる 

 いつか 別れる日が来るその日まで

 君たちの 幸せだけを祈ってるって

 そう信じて それを勇気に変えて

 生き抜いてね 生き抜いてね