下品で軽薄な権力・・・・

 人間の一生なんて せいぜい70年とか80年くらい

 それでも 人から人へ 歴史がつながってゆく

 いろんな歴史があったけれど ほんのすこしでも

 人間が幸福になれるように 命が傷つけられないようにと

 そちらの方向に 人々は向かって歩こうとはしたのだと思う

 その足跡を 振り返ってみると 人間は弱いものだけれど

 それでも 人間は命をかけて もっと平和な世界を作れないかと

 一心に考え 進むべき道を進んできたのではないかと思う

 けれども そのこころみが いつでも 成功したかといえば

 決してそんなことはなく 

 人々は 世界のあちらこちらで 殺し合い

 その結果 「正義」の人々は敗北して 

 下品で 軽薄で 暴力にかけては凄腕の権力が

 勝利をおさめることも 珍しくはない

 いずれにしても 人はそういう歴史を学びながら

 よりよい政治を模索し 現在の歴史的な到達点なんかを

 的確に認識していこうなどと思ったりする

 ところで さる16日の衆議院選挙で圧勝した

 自民党の安倍総裁と元東京都知事だった石原慎太郎氏は

 下品で、軽薄で、暴力的で、

 前後につじつまが合わないことでも躊躇いなくいえる

 両者ともに 永い間 ずっとこの国の権力の中にいたのに

 かたや 「日本をとりもどす」などといってみたりするし

 かたや 「日本国憲法」を憎悪する発言を声高に叫んでいる

 永い間 国税で しかも高額な給料を支給され

 公人として暮らしながら この国のために何をしたのか

 自分たちが立っている側の人々が 

 この国をだめにしたから 

 日本をとりもどすというのなら

 いったい 自分は どこにいて 何をしていたのだ

 そんなことを 問いかけたところで 

 何の意味もないことは 十分承知の上だ

 ただ もう沢山なのだ

 その下品さ その軽薄さ 

 その暴力性にうんざりだということを

 言葉にしておこうと思ったのだ

 どう考えても 二人とも 

 賢明な政治家ではなかったと 

 自分が評価を下されることを

 真摯に振り返るはずもないし

 そもそも そういうことに興味さえないだろう

 ただ 「権力」と「富」 さらに「支配欲」だけが

 彼らにとって すべての指標のはずだから

 二人の容貌そのものに それはにじみ出ていると

 夜更けにまた そんなことを思ってしまったのだ

 やっぱり「政治家としての品性」というのは

 目に見える形であるなと

 新聞の二人の写真を見ながら確信したのだった