古い古い家に・・・

寒くなって、家族三人が寄り添って生きている

そんな言葉がぴったりなのだ

私は定時制に勤め

連れ合いは 童話を書き 

流木の家具や小物を作る

息子は まだ仕事が見つからないけれど

それでも 少しずつ 自分の道を歩いてゆくはず

貧しい 明日なんかわからない

でも なんだか冬に入って

そういう危うい家族が あったかい

不思議だ 負け続けて 生きる意味を知るのは

哲学者のよう・・・

言葉にしなくても かまわないよ

それぞれが 弱過ぎて 

あんまりにも こころもとなくて 

あったかさの意味がわかってるからかなあ

もう ここまで歩いてきたら

わかったって いってもいいかな

弱いことは 不幸じゃないんだ

はかなげなのは すごいこと

う・・・ だんだん寒さが身にしみる

古い家は 夜更けになって 

しんしんとしてきたみたい

それからね 猫が二匹

一緒にいるんだ

片っ方は怪我をしていて

片っ方は風邪をひいている

けっきょく 二匹と三人がいる家

さあ そろそろ眠る準備かな

明日もまた 働く一日が待っているから