夜更けの徒然に・・・

この瞬間、私が死んでしまうようなことがあったら、困ることがいくつもある。
それこそ、そんな未練を残すような生き方はしたくなかったが、
なかなかうまくはいかなかった。
まず、破り捨てておかなくてはならないノートがあるのだ。
告白するなら、そこには、私の口汚い言葉が、並べられている。
私は、許しを乞いながらも、とりあえず文字にして
私の心の澱の様なものを吐き出してきた。
ただ、吐き出してきた訳ではない。
その過程で、私の心はゆっくりと整理され、
自分の愚かさに気づかされ、相手の姿を見つめ直すことができたからだ。
若いころから、自分は理性的なのだという幾分の思い込みがあって、
それが 私を内向させてきたことは、確かだと思う。
だから、内にこもってしまった苦しさを、
実はどうすることもできなかったのに、
自分でどうにかしてきたと思いこんでいたような気がする。
それが違っていたと思ったのは、20年余り昔、乳癌になった時だった。
私は、何かいろんなものを心の中に、貯め込んできてしまっていたなと、
その時、静かに自分をふりかえっていた。
あれから 私は、心のひだを、そのままノートに書いて、
そんな書きかけノートが いく冊も作ってしまった。
そして 時は流れ、人間について、人生について
愛について、いろんな思いを経て、
その都度、結論を得ながら、なお人生を歩き続けている。
こんなふうにしながら私は まだ 成長しているのかもしれない。