湿っぽい我が家

 山の中で暮らしているので、避けられないのが湿気です。

 ちょっと雨が降ったりすれば、部屋のかを何歩か歩けば、もう、足の裏が湿っぽくなってしまいます。

 台風も近づいているというし、晴れ間を期待するのは、ここ二日は難しいと思います。

 こうして、文章を書いている机の、すぐ目の前は崖ですから、なんだか不思議なところに住んでいるなあと、呑気に考えたりしています。

 それでも、高い崖というのでもないから、家が押し潰されることはないんだと、わかったようなわからないような理屈をこねて、

 もう二年余りを暮らしています。

 その一方で、隣近所は、ずいぶん離れていて、静けさは申し分ありません。

 何より、二匹の猫たちが、一番住み心地がいいのではないかと思ったりもしています。

 近頃では、絶対に勝てなかった「しろくろ」と、勝手に名前をつけている雄猫をやっつけて、天下をとったような「与作」

 相変わらずマイペースで、控えめな「チビスケ」

 この二匹の幸福度は、多分、かなり高いのではないかと思っている今日この頃です。

 ああ、それにしても、湿っぽい。除湿器の音が、すぐそばでいています。

 与作も、ちびすけも、眠っているようです。