なぜ 生きるのかという問いかけ

 生きるのをやめたら 楽になるか

 楽になるかもしれない

 背負ってきた暮らしのこと

 大好きな家族が居場所を探し続けて

 苦悩する姿を 永いこと見つめてきて

 自分の気力が なくなっていく状況を幾度も経験して

 低血圧の あのボーっとした状況の中で

 こうやって わからなくなっていったら

 そうして目覚めることがなかったら

 楽になるか・・・ いやそうはならない 

 遺された者たちの苦しみをそのままに

 置き去りにしていくことは 耐え難い

 生きてある 今この時 

 そのことを思っているのだから 

 意識がなくなろうと なくなるまいと

 生きていることを 自分で止めることなど

 やっぱり私には 楽ではないのだ

 そこで 神を想う

 理屈など 無意味だ 理屈など 

 当てはまったためしがない

 生きるということは そういうことだ

 だから 理にかなわぬ恋をして

 理にかなわぬ 暮らしを続けていく

 そこで 愛を想う

 あんまりにも弱過ぎて 逃げてばかりいて 

 でも 懸命に生きる場所を探している人間を 愛さずにはいられないのだ

 思えば 生きていくことの悲しさに

 グタグタになってきた 永い人生

 でも 私が求めたものは 

 微かに光り輝きながら たしかに

 目の前にある ずっと あった

 この世と 相容れないのは 誰でもない わたし 

 私だったのだから 死んでいくその日まで

 私の苦悩は そのまま 私の生きている証

 私の 幸福 そのものだということか