日曜日に綴る・・・

チョムスキーの『お節介なアメリカ』筑摩新書を読み始めた。それ以前に『9.11』を読んでいたが、なかなか読みこなせず、ずいぶん苦労してしまった。苦労した原因といえるものの一つは、翻訳の問題があると思う。もう一つは、自分が知らなかった世界中で起きていた惨劇があまりにも次々に登場してくることで、具体的には、それがいつ頃、どこであったことなのかを懸命に追い掛けることが大変だったということである。
彼の本は数冊借りているから、一冊ずつゆっくりと読んでいこうと思う。そして何冊も読んでいくうちに彼の世界情勢についての見解も、くり返し復習しながら読むことになるので、結局何とか理解できる状況になるだろうと思っている。
『いつ・どこで・何がおきたか?国際紛争の本』という大判のシリーズ本二冊を借りてきた。出版元は岩崎書店、価格は2800円、初版は2004年、3刷りが2006年と出版は少し古い。著者は一橋大学教授大芝亮氏とある。
この本は子ども向けに企画してつくられたものだが、大人も子どももない。ISISによって日本人の人質が殺されるという事態が起こった以上、国際紛争がどこでどのように起こり現状はどうなっているのかを知るのは必須のことになってきている。
それにしても、世界中で毎日、どれほど多くの人々が殺されていたのかと驚愕するほどの悲惨な現実について今さらながら思う。そうした現実を伝えてくれていた人がいて、それを出版物にする人がいて、初めて私達は、目を覆うような現実を知ることができるのだ。
そして今、日本がそのような状況にならなかったのは奇跡的なことだったのだという思いを新たにしている。それが日本国憲法によるものであったと、多くの人たちがいうのを聞いてきたが、そのことが再認識されるのだ。
戦争をしない国作りをするのだと、全世界に向かって表明してきた日本のこれまでの生き方をふり返ることによって、その方向を変えて、戦争をする国作りにいそしむ現政権の在り方をはっきりと掴むことができるというのは悲しいことだが仕方がない。
・・とここまで書き終えて、しまったと思った。日本国でありながら、実際には沖縄に日本国憲法の恩恵などない。常に米軍基地が最優先されてきた歴史の中で、沖縄の人々が戦争の危機から遠ざかることなどなかったはずなのに、そのことが意識されていない「本土」に暮らす自分自身と出会ってしまったのだ。