今、この瞬間も、私は勝手に、何者かになってしまえる。
そんなおかしなことを言ったら、狂っていると思われそうだけれど、
これは、本当にそうなんだからしょうがない。
一日の中で、あるいは一年の中で、
私は、仕事をしたり、家族と一緒に楽しく過ごしたり、
勉強をしたり、遊んだり、それこそいろいろな時間を過ごす。
そのどれも、私の本当の姿には違いない。
でも、でも、突然、何者かになってしまえるのは、
またもう一つの、私の真実の姿。
さて、こまった。
今日の私は、実際、奇妙な話を綴ってしまっているな。
脇田春子さんの『女性芸能者の源流』のページをめくりながら、
不思議な感慨に襲われている。