ぶっちの日

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昨年の「ミッケ」の家族

 

去年の七月九日に死んだのは「チビスケ」という名前の猫。

一緒に暮らして、九年が経っていた。

ちょうどその頃、家のすぐ目の前の小屋に寝泊まりしていた

親子で五匹のノラ猫一家がいた。

母猫の名前は名付けて「ミッケ」、

子猫は四匹、男の子ばかりだった。

そのうちの一匹で、小柄で甘えん坊の子猫が「ぶっち」だった。

今年の春、三月、子猫たちはみんな一歳になったが、

男猫は、どうしても、旅に出てしまうという。

もうすでに「ホシ」と名付けた猫は、いなくなって二か月になる。

だから今、猫の家族は、母猫と三匹の子猫だけだ。

特に今年に入ってからは、ミッケ一家には

半分は野良ネコ、半分は家ネコのような暮らし方をさせている。

お母さんのミッケには、すでに避妊手術は済んでいる。

家族は各々、我が家に入ってきて、

気ままに食べたり、眠ったりしている状態だ。

 

そんな中、一月くらい前になるが

「ぶっち」が右の後ろ足に怪我をした。

それでも、半野良の「ぶっち」は、ふっと家を出て、

三日とか一週間とか、帰ってこなかった。

 

そうしてついに、一昨日に突然の帰宅。

案の定、ぶっちの怪我は、かなりひどい状態になっていた。

是が非でも動物病院に連れていこうと、決心した私は、

本日やっと、動物病院行きを決行した。

半野良ネコの「ぶっち」を動物病院に連れて行き、

そこで治療を受けさせるというのは、

これは、相当な迫力だった。

「ぶっち」は、それはそれは、怖かったのだ。

牙をむきだし、何とも怖ろしい顔に変わったしまった。

怪我の原因は、他の動物に噛まれたとのことだったが、

抗生剤と痛み止めを注射してもらって、

帰宅後は、かなりの時間が経って、

やっと落ち着きを取り戻してくれた。

こういう時は、私は、何度も何度も、ネコに語り掛ける。

「よかったね、治療してもらって、きっと元気になって、もう少し生きていこうね。

大好きだからね。ぶっち、大好きだから。」