備忘録として

私の目の前には、朝の9時から夕方の6時半まで、

Kの手術を担ってくれた外科医が立っていた。

二度目の対面だったが、思いのほか小柄な人だった。

手に持っていたのは、Kの腹の中から切り取った大腸。

小さな容器の中に、小さな二つの塊があった。

そうか、これがKの体の一部なんだと、

静かな心で、見つめていた私。