私が住んでいる地域でも、あと二週間余りで高校入試が始まる。
将来は、あんなふうにも、こんなふうにもなりたいと、
夢を膨らませながら高校入試に挑もうとする子、
特別夢はないけれど、高校ぐらいは行こうかなと思っている子、
その他にも、様々な思いを胸に高校へ行こうとする子がいるはずだ。
そこで定時制教師の私は思う。ゆっくりした歩みの中で、じっくり考えながら勉強したい子には
定時制はお勧めの学校だ。学校は夜にあるので、多くの子は昼間はアルバイトをして自分の力でお金を稼ぐ。
その経験は生きることと暮らしていくことを一度に実感する絶好の機会となる。
昼も夜も活動する多忙な生活にはなるが、少なくとも定時制では、
常に急かされているような速いテンポで時間は進まない。
まず自分が生きていくテンポが、どのようであることが自然なのかを考えてみてほしい。
そのテンポは実は自分の「個性」なのだと思ってはくれないか。
そこから自分の「個性」にあった学校を選び取ること。
こうした過程を経て、初めて自分に適した学校が選べると思う。
自分で物事をゆっくり考えることが、学びの原点だと、私は信じて疑わない。