あと半年・・・

 人を上から見下ろすような傲慢な人間にはなってはいけないと、やはり、私は教わっています。

 いつ、父がそういったのか、いつ、母がそういってのか、覚えてはいませんが、

 傲慢不遜な態度こそは、人間として最も醜いものだと、心底思っていることに気づくたびに

 私の内面は、自分が受けた教育のゆえだと確信するのです。

 その一方で、近頃私が、人を「馬鹿」だと断じることが、なんと多くなったことでしょう。

 とりわけ、公務員で管理職になっている人の馬鹿さ加減は、百害あって一利なしという感じです。

 今日も、仕事場でそういう場面に出会いました。

 初めからあらすじが見えてしまうような三文芝居のような展開で、

 もう、議論するのも阿保らしくなって、相手の思うとおりにすることにしました。

 けれども、決して、ただ無抵抗に、そうしたわけではありません。

 相手が何を考えているのかをつかんでしまう中で、

 こちらが被る被害を、ほとんどなきに等しいほどにしてしまうことが可能だったのです。

 そして、あと半年、どうしても付き合わなくてはならない馬鹿な管理職を

 心底馬鹿にしながら、無益な苛立ちで、決して消耗しないように、

 そうすることで失わずに済んだエネルギーを、自分の内的な向上のために使おうと

 何だか、今夜は、不思議なほど晴れ晴れしている自分を、見出しています。

 なに、現状の日本社会に向き合わなくてはならない毎日なのですから、

 こんなふうに自分の日常の中で、息長く戦っていく戦術を、一つ一つ身に着けて、

 確かなものにするというのも、面白いではありませんか。

 たとえ、日々老いていく身であっても、

 私にいつの日かやってくる死に直面するその日まで、私は戦っていくつもりです。