きれいな声とはいわないけれど、「ちっちっち」って、網戸の向こうから、鳴き続けている。
ムシムシする空気だけれど、間違いなく秋。
一日一日、大事にして歩こう。
連れ合いと、息子と、猫のチビスケと与作と、大事な家族が、各々、自分の役割をもって、互いに支え合っている暮らし。
昨夜、息子は体調を崩して、早めに寝てしまった。
介護施設で働いて一年が過ぎ、慢性的な人手不足の中で、めいっぱいの仕事をしている。
彼が働き始めてから、その施設のお年寄りがいく人も、亡くなっている。
時が来れば仕方がないことだが、亡くなっていく人がいるたびに、
その方たちのお世話をしてきた息子の寂しそうな横顔を、見ることになる。
人が、老いとか、病とかで、時が来て死んでいく。
それを看取るような、そういう現場で働いている息子を、私は、誇らしく思っているのだ。