熊本大地震

 もう、これからのことはまったくわからない。

 それはそうだろうと思う。

 大自然の脅威がどのように実際に展開するかなんて、人間にわかるはずはないのだから。

 14日夜の最初の地震は、定時制の終業時間直前だった。

 九州に引っ越して以来25年間、ほとんど地震の経験がなかったので驚いた。

 ゆさゆさと、揺れている大地の上にいるのは気持ちが悪い。

 ついに来たかというのが、最初の実感だった。

それでも、夜はなんとなく普通に過ごし、余震もあったはずなのに記憶は薄くなっている。

 驚いたのは、それから丸一日を過ぎて、なお四時間ほどたった真夜中の一時過ぎの地震の方だ。

 ああ、なんだかいつもとは違うなと感じる強い地震の再来だった。

 結局その日は明け方の四時頃まで眠れなかった。

 それなりに大きな地震が、短い間隔で何度も何度も、家を振動させる。

 震源地から100キロも離れているのに、大地は小刻みに容赦なく揺れた。