大晦日・・・

 もう外は真っ暗、たった一台の石油ストーブの上でやかんがコトコトなっている。

 今、家の中には、連れ合いと息子と私と、そして猫が二匹。

 こんな何気ない平穏な状況を、見出すことができない人々が、

 この国にも、世界にも、数えきれないほどいるのだろう。

 ああ、なんていうことだ、私は、何をしているのだと思ってしまう。

 それでも、私にできることを、その時その時、やっていくしかない。

 今日、一枚の履歴書を書いた。

 買ったばかりのプラチナの万年筆で、一字一字丁寧に学歴や職歴を書き込んでいった。

 それはもう、いろんな仕事場を転々としてきた私だ。

 誰にも負けないくらい記入欄が必要で、コピーしたものにさらに書き込んで完成させたくらいだ。

 一行一行、書き込みながら、自分の足跡を振り返って懐かしかった。

 誰が何と言おうと、前向きに、まじめに生きてきたなあとおもっている。

 そういうふうに生きてこられたことに感謝しかない。

 私の大切な家族と、大事な数少ない友人と、そして私を導き続けてくれる「神」と

 私の感謝は尽きることがない。

 さあ、これから夕食の準備だ。連れ合いの補助スタッフとして奮闘する。

 連れ合いの料理に生かされてきた私の暮らし。

 豚のバラ肉の塊を大根と一緒に煮込んで、もうずいぶん時間が経った。