明後日は東京…

 老いていく。誰でも同じだ。

 そんなことについて思う一日だった。

 お盆の最終日の今日、久しぶりに家族3人で

 義母のところへ出かけていった。

 88歳の彼女は一人で暮らす。

 時々、そんな状況にさせておくことが

 いいのかどうかなどと思わないでもない。

 でも、彼女は「自立」した一人の女性として生きている。

 よくよく考えてみれば、いや、少し考えてみても

 これはすごいことだと、あらためて思う。

 前々日の13日に黄泉の国の扉が開いて、

 死者たちが生まれ育った家族のもとへやってくるという。

 その日から、三度の食事を準備するのが義母の役目なのだ。

 義母のもとへ帰ってくるのは、夫と息子と、それから夫の母。

 小さな器に、決められた食べ物が盛られている。

 13日、14日、そして15日になると、

 死者たちは、再び黄泉の国に帰っていくらしい。

 その時には、お土産まで持たせてやるという心遣い。

 その帰国の手助けをするために、

 墓まで行ってきてくれたのは、息子だった。

 一年で最も大事な仕事を、義母は終えて

 もう、眠っているころだろう。

 限られた時間を生きて、人間は必ず死んでいく。

 その時を決めるのは自分ではない。

 その日まで、やれることはやり続けたい。

 義母には申し訳ないが、盆を担うことは

 私たちにはできないと思う。

 なにより、私はクリスチャンなのだ。