山の中に住んでいるようなものだから
ふっと気付いてみると、
手足のあちらこちらが痒くなって、赤くはれてしまう。
ついこの間は、就寝中に脇腹の所を、
正体不明の虫に刺されて、痛みでしばらくは眠れなかった。
もちろん すぐに虫さされに効く液体の薬を
ジャブジャブつけたし
加害者を捜すために、隣りで眠っていた連れ合いを起して
タオルケットをはねのけてバタバタやり、
部屋の中をじろじろ見まわしたり
そういうことは、抜け目なくやったのだ。
だが、正体はわからなかった。
そこで仕方なく、灯りを消して横になったのだったが、
足もとで モゾモゾとするものがいるではないか。
タオルケットを、静かに取りのけて見ると、
そこには あまり見かけない小さな蜘蛛がいたのだ。
これかもしれないと、虫さされの薬を上からかけて殺してから
明日にでも 図鑑で調べて見ようと、ティッシュでくるんで
机の片隅に置いた。そのあたりで午前4時半だったか。
眠い。傷みもだいぶおさまってきてそのまま就寝。
それから三日間というものは、今度はかゆみに悩まされる。
とんでもない毒虫だったが、いまだに特定はできていない。
ちなみに、採集したクモが何ものなのかは、
まだ調べることができないままでいる。