南の島通信 15

 この連休は、身辺整理に追われていた。

 永い年月を歩いてきて、いろんなものが残っていた。

 それを、丁寧に点検して、捨てるものと残すものに分けていった。

 こうすることで、自分に残された時間をもっと有効に使って行こうと思っている。

 過去の、踏まえるべきものは踏まえて、未来へと歩みを進めるつもりだ。

 やり残したことは、まだ少なからずある。

 やはり、何を伝えるかという問題。

 これは、多くのものでなくていい。

 できれば、明確な一つのもので表わせないかと思う。

 ああ、そうはいってもすぐには言葉にならない。

 まだもう少し、時間をかけて言葉にしよう。

 家の中が広くなった。どこに何があるのかが、おおよそわかるようにした。

 こういう状況を作るのは、なかなか良い。

 心が軽くなっていくような感じだ。

 一年一年歩いてきた人生を、何から何まで

 袋の中に詰め込むようにするのではなく、

 私が歩いてきた道に、風がさわやかに吹いているような感じを味わいたかったのだ。

 捨てる・・・。

 これは新しいなにかを、死ぬまで求め続けるために必要なことだ。