戦場に出て闘う武将が死ぬと 修羅道に落ちる
そうなると 殺し合いなどやめたいと思っても
仏教的な救いがない限り
死んでもなお 心休まることもなく
敵を憎み 闘い続けるという
その修羅道に落ちた武将を主人公にして
修羅能を作り それが好評だった14世紀から15世紀
修羅能は 戦死した主人公が修羅道に苦しんでいるのを
僧が回向して 苦しみから解放して幕となるのが定番だ
この考え方が一般的な社会が今も続いていれば
敵を殺して 自らも死んだ兵隊は
修羅道に落ちて苦しんでいるのだから
名誉の戦死どころか 哀れむべき存在のはず
こうして 兵士を修羅道に落とし込むような戦争は
忌避されていくはずだ きっと・・・
戦争美化なんて 考えられない
やはり人間は 確実に劣化している