戦争が引き続く・・・

 戦争があっちでもこっちでもおこったりしている。

 そうすると、 人々は、あっちでもこっちでも苦しめられ

 兵隊として引き出されたり、物資の略奪にあったりして

 散々な目に会う。

 でも 権力は相手を征服しつくすまで決して争いの矛先を緩めることはない。

 そういう時代背景の中で、一つのテーマで芝居ができる。

 修羅道に落ちた武者の霊が主人公の作品である。

 それは 時流に乗って一時的に人気を得ることだろうと思う。

 だが、話はとてつもなく暗い。

 敵と味方に分かれて戦った武者が

 死んでもなお 戦い続けなくてはいけない阿修羅道に落ち

 果てしなく苦しむ・・。

 そういう物語が 舞台で演じられ、それを人々が見ても

 重苦しさだけが 立ち込めてしまうはずだ。

 最終的に その霊が慰められ、成仏するという結末ではあっても

 やはり 秀作として高い評価は得られなかったのだ。

 何よりも、その芝居を見ているメインゲストに

 権力のトップにいる室町将軍がいたりすれば

 戦いの当事者でもあって、その仕掛け人でもあった

 彼らが 心地よく鑑賞できる作品はもっと別の方向から

 「戦争」をテーマの作品として仕上げなくてはならないのだ。

 世阿弥は それに腐心して 後世、秀作と言われた

 数々のドラマを作り上げた。15世紀のことである。

 以上は、あまりにざっとではあるけれど、
 
 私が書きなおしたい

 論文の概略になろうかと思う。