外は雨のような 曇りのような
一人 部屋の中
ネコが二匹 毛布の上に 布団の上に
眠っている
静けさの中に 沈んでいきそうだ
つい今まで フジコヘミングのピアノを聴いていた
彼女のドキュメント番組の中で
彼女の語り 彼女の暮らし 彼女の演奏を聴いていたのだ
思えば 私も孤独な人生の中にある
それは あったかな家族がいるとかいないとかではなく
人間の孤独を感じとる心の感度の問題
さらには 確実に訪れている老い
手先 足先 肩とが重い
何より 頭の中が決して安まっていないという実感
その反動が このボーっとした感じ
さあ 元気を出そうと
いつもそんな風に思いながら 何十年も過ぎてきたけれど
今日は その意欲も乏しい
神は 私に何かが足りないことを知っているのだろうか
自分の生の危うさを思うのは 春のせいか
